映画『美食家ダリのレストラン』公式サイト | 8月16日(金)新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、シネ・リーブル池袋ほかにて公開

映画『美食家ダリのレストラン』公式サイト

Introduction

“もしも、サルバドール・ダリと伝説的な三ツ星レストラン「エル・ブジ」の料理長フェラン・アドリアという2人の天才が、同じ時代に活躍していたとしたら…?”

そんな斬新なアイテアから生まれた映画『美食家ダリのレストラン』。ジャンルは違えど、卓越した2人の芸術家には、同じ土地のものを食べ、既成概念を打ち壊し、それまて誰も思いつかなかったような世界を作り出したという共通点が存在する。脚本も兼ねたダビッド・プジョル監督は、2人の天才についてのドキュメンタリー映画制作の実績のある、代わりのいない“料理長”だ。主人公のシェフ、フェルナンドが身を寄せる海辺のレストラン「シュルレアル」には、「溶けた時計」や「卵」のオブジェ、「ロブスター電話」ら、ダリのアートを模したオブジェが溢れ、「エル・ブジ」て実際に提供されていた独創的なメニューの数々が登場する。監督の指揮の元、アートと料理を見事に融合させたレストラン・エンタテイメントが誕生!
圧政とプレッシャーの大都市バルセロナを逃れ、海辺の街カダケスにやってきた主人公フェルナンドたち。そこては友人フランソワの魅力的な恋人ロラと、その父親で、ダリをこよなく愛するレストラン「シュルレアル」のオーナーてあるジュールズが彼らをお出迎え。競争厳しいバルセロナのシェフとして腕をふるってきたフェルナンドは、初めはダリに無関心だったものの、徐々にその才能に感化されていく。更にはジュールズの無謀とも言える野望、仕事熱心で魅惑的なロラの存在、頼りなくも恋に目覚めた弟アルベルトらのカオスがもたらす一匙が、フェルナンドと、彼の料理の世界を大きく変えていく…。果たして、ジュールズの悲願通り、ダリは「シュルレアル」を訪れるのだろうか…?

Inspired by El Bulli エルブジ

Story

五感を刺激する、愛と芸術の海辺のレストランヘようこそ

1974年、フランコ政権末期のスペイン。バルセロナを追われた料理人フェルナンドとアルベルトの兄弟は、友人フランソワの伝手でサルバドール・ダリの住んている海辺の街カダケスに辿り着く。彼らを迎えたのは魅力的な海洋生物学者のロラ、そしてその父―ダリを崇拝する、レストラン「シュルレアル」のオーナーてあるジュールズだった。「いつかダリに当店でディナーを」をスローガンに、ありとあらゆる無謀な試みに奔走しながら、情熱を謳い続けるジュールズ。やがてそのカオスはフェルナンドの料理に新たな風をもたらし、世界規模の革命的シェフの誕生を呼ぶことになる。

Staff Profile

*映画タイトルの後ろの()の数字は日本公開年。未公開や映画祭イベント上映の場合は、(未)と制昨年を記載。

ダビッド・プジョル David Pujol

監督・脚本:
ダビッド・プジョル David Pujol

スペイン生まれ。1990年代に短編映画をいくつか制作した後に、2001年に『La biblia negra(原題)』(未・2001)を監督し、本作てシッチェス・カタロニア国際映画祭の作品賞にノミネートされる。2010年から2011年にかけて、「エル・ブジ」の誕生からフェラン・アドリアが入店し、運命が変わり始めるまでを追ったTVドキュメンタリーシリーズ「エル・ブリ:夢の物語」を手掛ける。2014年に短編『Dalí Pitxot. L’al·legoria de la memòria』、2015年に『Dali's Last Masterpiece』、2018年に『Salvador Dalí, en busca de la inmortalidad』(いずれも原題)と、サルバドール・ダリに関するドキュメンタリー映画3本を手掛けている。短編映画『El mismo día a la misma hora(原題)』(未・2020)で、ブエノスアイレス国際映画祭の短編作品(フィクション)賞受賞、監督賞にノミネートされる。

Cast Profile

ジョゼ・ガルシア(ジュールズ役) José Garcia

ジョゼ・ガルシア(ジュールズ役) José Garcia

1966年3月17日、フランス、パリ生まれ。1997年にヒットしたトマ・ジル監督のコメディ映画『原色パリ図鑑』(1998)で、1998年セザール賞の有望若手男優賞にノミネートされる。1999年にマティアス・ルドゥー監督作、ジャン=ユーグ・アングラード主演の『甘い嘘』(2002)に出演。2001年に、フランス語圏の映画界で将来有望な男優に贈られるジャン・ギャバン賞(現在のパトリック・ドヴェール賞)を受賞した。アントワーヌ・ドゥ・コーヌ監督作『アーシア・アルジェント/禁断の罠』(未・2001)、アラン・ベルベリアン監督による大ヒットアクション・コメディ『ル・ブレ』(2002)に出演後、コスタ=ガヴラス監督作『斧』(未・2005)で連続殺人へと駆り立てられていく主人公を演じ、2006年セザール賞主演男優賞、グローブ・ドゥ・クリスタル賞主演男優賞にノミネートされる。その他、レジス・ヴァルニエ監督のミステリー『サイン・オブ・デス』(未・2007)や、フランスの人気コミックの映画化作品『アステリックスと仲間たち オリンピック大奮闘』(未・2008)に出演。2010年代は、ルイ・ルテリエ監督、ジェシー・アイゼンバーグ主演の米映画『グランド・イリュージョン』(2013)やジェームズ・ワトキンス監督、イドリス・エルバ、リチャード・マッデン主演の仏米合作クライム・アクション『フレンチ・ラン』(2017)など、ハリウッド作品にも出演。

イバン・マサゲ(フェルナンド役) Ivan Massagué

イバン・マサゲ(フェルナンド役) Ivan Massagué

1976年9月4日、スペイン、バルセロナ生まれ。2007年に、アカデミー賞で3部門を受賞したギレルモ・デル・トロ監督のダークファンタジー『パンズ・ラビリンス』(2007)に出演。その他2000年代の出演作に、ダビ&アレックス・パストール兄弟監督によるパニックスリラー『ラスト・テイズ』(未・2013)、トム・フェルナンデス監督によるコメディ『ミリオネア・ドッグ』(未・2014)などがある。2019年には、トロント国際映画祭のミッドナイト・マッドネス部門て観客賞、シッチェス・カタロニア国際映画祭で最優秀作品賞を含む4部門を受賞したガルデル・ガステル=ウルティア監督の異色スリラー『プラットフォーム』(2021)で主人公ゴレンを演じている。近年の出演作に、2022年ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品されたアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督の『バルド、偽りの記録と一握りの真実』(2022)などがある。

クララ・ポンソ(ロラ役) Clara Ponsot

クララ・ポンソ(ロラ役) Clara Ponsot

2006年からTVシリーズに出演し、ミシェル・ウエルベックによる自作小説の監督作『ある島の可能性』(未・2008)に出演。主な出演作に、ブノワ・ドベール監督作のパニック映画『キラー・ビー ~殺人蜂大襲来~』(未・2009)、ジェラール・ユスターシュ=マチュー監督作『赤い手帳』(未・2011)、2014年バスティア・イタリア映画祭で女優賞を受賞したフランチェスコ・アマート監督作『愛の回帰線 コジモとニコル』(未・2012)、ヴィルジニー・デパント監督作『嫉妬』(未・2012)など。2012年に出演したオムニバス・コメディ映画『プレイヤー』(2012)では、エリック・ラルティゴ監督が手掛けた「ロリータ」で、ジル・ルルーシュと共演。近年の出演作に、2019年ナストロ・ダルジェント賞2部門にノミネートされたイタリアのロマンティック・コメティ『泣いたり笑ったり』(2022)、マキシム・ロイ監督作『Les héroïques(原題)』(未・2021)、2022年ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門出品作で、イタリア映画祭2023でも上映されたペネロペ・クルス主演作『無限の広がり』などがある。

ポル・ロペス(アルベルト役) Pol López

ポル・ロペス(アルベルト役) Pol López

1984年、スペイン、バルセロナ生まれ。2000年代からTVを中心に活躍。主な映画出演作に、2016年ガウティ賞作品賞に輝いたセルジ・ペレス監督作『El camí més llarg per tornar a casa(原題)』(未・2014)、オスカル・アイバル監督のスリラー『El sustituto(原題)』(未・2021)、『モルタデロとフィレモン』、『だれもが愛しいチャンピオン』のハビエル・フェセル監督によるコメディ『Historias lamentables(原題)』(2020)などがある。2022年に、ミケル・グレア監督作『Suro(原題)』(2022)に主演し、2022年アルメリア国際映画祭、2023年ガウディ賞で主演男優賞を受賞している。2022年には歴史ドラマシリーズ「大地を受け継ぎし者」に出演した。

COMMENT(順不同)

憧れ、驚き、落胆、怒り、喜び、感情が調理のプロセスのように重なっていく。
カオスのさなか、全てをはらんだ唯一無二の一皿が誕生する。
日々わたしたちが味わっているのは、味そのものよりもその一皿に込められた物語なのかもしれない。

和田明日香 (料理家、食育インストラクター)

強く憧れる誰かに…という熱い想いと、
滑稽なほどのアピール。愛らしい映画。

ヒグチユウコ (画家)

潮風が香ってきそうなリッチな映像と料理に、美しくも情熱的なロマンス!
マジックアワーのような美食にベロベロに酔いしれること間違いなし!
個人的にはお酒とのマリアージュを楽しみながら鑑賞するのがオススメです!

リュウジ (料理研究家)

芸術家と料理人は似ています。
孤独の中で自分の信念やスタイルをしっかり持ち続ければ、それを愛してくれる人が必ずいる。
そしてその作品や料理は、当たり前だけど、その土地の自然や、歴史や、人々がいるからこそ完成するものなのだと思いました。

タサン志麻 (家政婦)

料理は、笑顔と感動だけでなく、狂気と愛憎をも生み出す熱量を秘めている……輝く風景、人間模様、美しく繊細な皿の数々が織り成すカオスから、そして希望と絶望の象徴であるダリの存在から、「食」の奥深い本質を改めて突き付けられました。

植野広生 (dancyu発行人)

コスタブラバの海と海の幸、カダケスの白い家と坂道…舞台は1970年代だが現代のカダケスと全く同じ景色。ダリが見ていた景色のままの世界の中でエル・ブジの料理は生まれたんだ!
ところどころにエル・ブジで良く聞いたフェランの言葉が散りばめられていたり、料理が誕生した背景がわかるとワクワクする。ダリを感じさせる演出がとても良いエッセンスになっていて懐かしくもなる。

山田チカラ (料理人)

もはや……、目で食べる空想レストラン!
「美食」「ダリ」「地中海」「スペイン」が好きな人が夢見る超現実的な映画です。

ナカムラクニオ (美術家/6次元主宰)

カダケスの青い空の下、レストラン“シュルレアル”のオーナー、ジュールズは夢を見続ける。フランコ軍事政権下でスペインでライヴを行ったことがないザ・ローリング・ストーンズやデヴィッド・ボウイがいつか店を訪れる!その頃ダリは常連だ!...その夢ははたして叶うか?
“シュルレアリズム=夢の表現”が楽しくも美しい。ダリの妻ガラの極悪ぶりもナイトメアだ。

山﨑智之 (音楽ライター)